以前本誌で報じた「EXILEがレモンサワーを大量に飲んだ!」という記事だが、同記事には「若者の酒離れ」を食い止める秘密が隠されていると流通ジャーナリストの金子哲雄氏さんが語る。以下、金子氏による分析である。
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目が止まったのは、『EXILE・ATSUSHI レモンサワー70杯! 男だけの誕生会』(という記事)です。EXILEが有名なイタリアンレストランでレモンサワーを70杯も飲んだ、という話なんですが、お酒業界にとっては願ってもない記事ではないかと思います。
レモンサワーにはオヤジのイメージがあります。だけどEXILEが飲むならカッコイイんです。日本には彼らのライフスタイルに憧れる層というものは確実に存在します。その層が、レモンサワーをカッコイイと思って飲みはじめるのではないか。
この記事は、昨今の若者の酒離れを念頭に読むと、その価値が見えてきます。1990年代半ばから若者はあまりお酒を飲まなくなったし、飲んでも低アルコール。だから酒造メーカーは若者向けに低アルコール飲料に力を入れています。ウイスキーを割ったハイボールのヒットは、その流れに乗ったもの。サントリー『ほろよい』なんてアルコール度数たった3%ですから。
いまは酒造メーカーが「この酒、おいしいですよ」と宣伝して売れる時代ではありません。重要なのは「ダレが飲んでいるか」。WHO(誰が)です。だから、この記事は使える。ぼくが酒造メーカーの営業マンなら、この記事を持って六本木の飲食店を回ってレモンサワーを置いてもらいますね。
※女性セブン2011年6月16日号