NHKの朝の人気情報番組『あさイチ』の中で、自分自身に宛てて送られてきた視聴者からの脇汗への苦情に関するFAXをあっけらかんと読み上げた、司会の有働由美子アナウンサー(42)。この一件がいま大きな波紋を呼んでいる。
今回の一件については、「そこまで指摘するほうがおかしい」「わざわざFAX送りつけるようなこと?」といった意見も少なくない。
しかもテレビ番組への苦情は昨今、より厳しく、より細かくなっている。
有働アナ以外にも、昨年5月には、『Bizスポ』(NHK)を担当している堀潤キャスター(33)のもとにヘアスタイルに対する苦情が殺到した。彼はもともと天然パーマなのだが、その髪形がニュースキャスターにしては、派手に見えてしまったようなのだ。
「あの、ちゃらい髪形はなんだ」「丸刈りにしろ!」「もう(NHKを)見るのをやめました」などといった手厳しい意見が続いたという。堀キャスターは悩んだ末、きれいさっぱり髪をカットした。
あるテレビ局関係者はこう証言する。
「主婦のレポーターの絆創膏を貼った指がアップになったとき、“汚い”とクレームがきたこともあります。震災後は、スカートの丈、服の色、デザインにまで細かい注意をしてくる視聴者のかたがたくさんいました」
ドラマにも辛辣なクレームが多数寄せられる。たとえば、昨年放送されたドラマ『ナサケの女~国税局査察官~』(テレビ朝日系)に、オカマバーのママ役で出演していた武田鉄矢(62)には、「うわぁ、夢に出そう」「本気で気持ち悪い」「マツコ・デラックスのほうがキレイ」など、インターネット上の掲示板に多数の批判が書き込まれた。
クレーム対応研修やコンサルティング業を行っているアイビー・リレーションズ代表でクレーム対応の専門家・大村美樹子さんはこう説明する。
「携帯やパソコンからメールで気軽にアクセスできるから、軽い気持ちでクレームが入れられるようになっています。顔を合わせず、会話するでもなく、いいたいことを24時間いつでもいえる。最近は自分自身が迷惑をかけられているわけではないが、ひとこといってあげよう、くらいのかたが増えていますね」
※女性セブン2011年6月16日号