5月末、経団連への決別宣言とも取れる発言をぶち上げた楽天の三木谷浩史社長。それにしても、なぜこのタイミングだったのか。経済ジャーナリストの須田慎一郎氏は、三木谷氏の焦りの表われだと指摘する。
「ソフトバンクの孫正義社長が将来の発送電分離を見据えて発電ビジネス参入の先手を打った。先行者メリットが大きいだけに、先を越されたくないとの思いは強いはず。ところが経団連は歴代東電社長が副会長ポストを担うなど表裏一体の団体。当然、発送電分離にも後ろ向きで、三木谷氏としては経団連に加盟していることが足枷になってしまう」
そして、かつて経団連に加盟していたライブドアの堀江貴文元社長はこう見る。
「経団連は伝統企業にやさしく新興企業に厳しい。三木谷さんはそういう年寄り優遇の日本サラリーマン企業体質に嫌気が差したんだと思います。私がライブドアを経営していた頃は新興企業攻撃の矛先は私に向かっていたから三木谷さんはそうでもありませんでしたけど、今や攻撃対象の最右翼なわけです」
戦後の日本経済を担ってきた経団連。だが、加盟が名誉とされた時代は、もはや過去のものといえそうだ。
※週刊ポスト2011年6月17日号