今季は50イニング連続無得点という不名誉な記録も打ち立てた広島カープ。1980年代には抜群の強さを誇っていたが、1998年から昨季まで12年連続Bクラスに低迷している。その要因とは一体、何なのか。
スポーツ紙記者の分析。
「かつての“赤ヘル軍団”がこれほど低迷しているのは、彼ら自身がどこか変わったというよりも、野球を取り巻く“ルール”の問題でしょう。従来、広島は若手を育てて戦力を蓄えてきた。しかし、ドラフトでの逆指名とFA制度導入で有望な若手が確保できず、せっかく育てた生え抜きスターも金本知憲、新井貴浩のように資金力のある他球団に取られてしまう」
時代が変われば、生き抜くためには自らが変わらなければならない。だが、“赤ヘル時代”がまばゆいばかりに昔ながらのスタイルに固執。最弱期から抜け出す機会を失っていったのだ。
一方、球団関係者がいう。
「復活の兆しはありますよ。球団フロント陣に変わらなくてはいけない、という姿勢が見えるんです。今年の補強ではFA市場に参戦、外国人も5、6人取ってポジションを競わせている。ドラフトでもドラ一に高卒ではなく、即戦力の福井優也選手をとった。監督の野村謙二郎も44歳と若いですし、どんどん世代交代するべきです。今季終了後に、前田智徳をリストラするぐらいの非情さを見せてほしい。それが今後、チームが変わるか、変われないか、のポイントだと思います」
※週刊ポスト2011年6月17日号