フジテレビ系『ホンマでっか!?TV』でもお馴染みの脳科学者・澤口俊之さんが、昨今の「片付けられない女」に提言! 脳科学的には、片付けられなくても気にする必要ないって本当?
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“片付けられない女たち”というテーマは、数年前からたびたび話題になっていますが、脳科学者の私から見れば、多くのかたは「片付けられないこと」を気にしすぎていると思います。
注意欠損障害という病気に起因して片付けられない、というケースもあるのですが、病気ではないのに「自分は片付けられない人だ」と思い込むケースもあります。このような思い込みは、脳にとって非常にマイナスです。病気ではないのに「ストレス」と「思い込み効果」のせいで、かえって病気になってしまいかねません。
「思い込み効果」とは、「プラシーボ効果」ともいわれ、本当は薬ではないものを薬と思い込むことで、薬効が出るなどの事象が知られています。うつ病にはプラシーボ効果が強いことがわかっていて、「この薬でうつが治る」などという思い込みだけで改善する場合が多くあります。逆に、思い込みだけでうつ病が悪化することもあります。
ですから、病気でもないのに「自分は片付けられない人だ」と思い込むことは避けてください。昨今の風潮だと、少し片付けられないだけで、病気だと思い込み、ますます片付けられなくなるというマイナスの循環に陥ってしまいます。
「捨てること」も実はそうで、物が多いから捨てられないだけなのに、「捨てなくてはいけない」と思い込むことで強迫神経症になりかねません。
何事も「思い込み」はやめたほうがよいということです。もっと気楽にいきましょう。 とはいえ、買いすぎをやめられず、片付けられないことの原因のひとつに「脳機能の低下」があることも知っておいてください。
※女性セブン2011年6月23日号