3月の震災後、1ドル=76円25銭まで急騰したドル円相場は、その後の協調介入もあり円安トレンドに転じるかと思われたが、80円前後のボックス圏で推移している。こうした状況で、FX(外国為替証拠金取引)にはどのようなスタンスで望むべきか、為替のスペシャリストで酒匂エフエックス・アドバイザリー代表の酒匂隆雄氏が解説する。
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値動きのほとんどないレンジ相場のときは、高値・安値を追わないように心掛けることが必要だ。つねにポジションを持とうとしてしまうと、高値を買ってしまったり、安値を売ることになってしまう。
ドル円に関しては、80円前半ならドルを買っても良いレベルと思われるが、それでも78円くらいまで円高が進んでも耐えられる程度のレバレッジにする方が賢明だ。
そして、新規のポジションをとるときには、ロスカットのオーダーも同時に出しておく。さらに、「OCO」「IFO」(※)といった注文を積極的に活用してほしい。機関投資家にはできない注文であり、レンジ相場では威力を発揮する。どんなときでもリスクコントロールを忘れずに。
9月までの向こう3か月の予想レンジは、米ドル/円で79円80銭~84円20銭。ユーロ/円は111円~116円。ユーロ/ドルで1.36~1.41ドル。しばらくは、チャンスをじっくりと待つスタンスで臨みたい。チャンスはいくらでも来るのだから。
※「OCO」(one cancel the other order)…1回の注文で2つの指し値や逆指し値ができ、片方が約定したらもう1つは自動的に取り消しとなる注文方法。ボックス相場の局面で、利益確定の指し値注文と、損切りの逆指し値注文を設定するときに使われることが多い。
「IFO」(if done, one cancel the other order)…新規の指し値注文に加えて、そのポジションの利益確定の指し値注文と、損切りの逆指し値注文のすべてを、同時に1回で行なう注文方法。指値注文に「OCO」をプラスしたものといえる。
※マネーポスト2011年7月号