他球団と比べ「口出し」の目立つ楽天フロントだが、そればかりがチーム崩壊の理由とはいえない。フロントが介入せざるをえないほど、星野仙一監督の采配が当たらないのも確かだ。楽天番のスポーツ紙記者がいう。
「1イニングに3安打しても点が取れないなんてシーンがあったり、投手交代も後手後手で傷口を広げるばかり。無策ぶりには他球団の関係者さえ呆れるほどです」
例えば6月5日のヤクルト戦。今季初先発の片山博視投手が4回裏にヤクルトにつかまり、連打を浴びた。星野監督はそれでも片山を続投させ、結果、パ・リーグタイの1イニング10被安打で10失点を喫してしまったのである。これが球団内外で「見せしめ」と顰蹙を買った。
「まだ試合は前半で、挽回のチャンスはあった。ファンの多くは“なぜ交代させないのか”という思いだったが、ドッカとベンチに座って苦虫を噛みつぶしていた星野監督の形相に関係者は皆震え上がっていた。
その上、星野監督は“こんな選手しかおらんのか”“オフを覚悟しとけよ”という禁句を平気で口にする。選手たちは“勝てば自分の采配のおかげで、負ければ選手のせいなんだろ”としらけきっている」(前出・番記者)
選手起用への不満も噴出している。ただでさえ、開幕前から若手に慕われていた渡辺直人を金銭トレードで横浜へ放出したことから選手たちの間では首脳陣への不信感は高まっていた。パ・リーグ関係者がいう。
「選手たちは“星野さんは自分が連れてきた選手ばかりを可愛がり、生え抜きには冷たい”と漏らしている。渡辺を放出して獲得した岩村と松井稼頭央は期待した成績にはほど遠い。岩村に至っては、打率は1割7分に満たずホームランもゼロという散々な成績で2軍落ち。もうチームはバラバラです」
※週刊ポスト2011年6月24日号