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てんかん患者は100万人 60~70%は薬で発作コントロール可

 てんかんは、脳の神経細胞の一時的な異常な電気活動により、全身痙攣や一時的な意識消失などの発作を起こす病気だ。原因や発症年齢はさまざまで、脳の形成異常や頭部外傷、脳梗塞、あるいは脳卒中などにより、乳幼児から高齢者まで誰でも発症する可能性がある。海綿状血管腫も、成人発症のてんかんの主要原因の一つだが、手術で病変を摘出することで完治が可能だ。

 大脳の神経細胞は秩序正しいリズムで電気的活動をしているが、何らかの原因で一時的に異常な電気興奮が起こると、てんかんの発作を起こす。

 てんかんには特定の原因がない特発性てんかんと、脳の形成異常、海馬硬化、事故などによる外傷、脳卒中の後遺症など器質的障害により引き起こされる症候性てんかんがある。

 発作の症状は、発作を起こさせる脳の領域によって異なり、突然意識を失って倒れ、全身を痙攣させる全般発作だけでなく、一瞬ボーッとなる、手足がピクつく、光の点滅が見える、胸がムカムカする、以前体験したような懐かしい気分(既視感)になったりする部分発作もある。

 発症年齢は小児期が圧倒的に多いが、あらゆる年齢層にわたっており、近年では脳血管障害などによる高齢者の発症率が上がっている。

 国立精神・神経医療研究センターてんかんセンター長の大槻泰介脳神経外科診療部長に話を聞いた。

「全国の患者は約100万人と推計されていますが、そのうち60~70%は薬で発作をコントロールでき、社会生活が可能です。残りは複数の薬剤でも発作がおさまらない難治性ですが、なかには海綿状血管腫のように手術で治るてんかんもあります」

(取材・構成/岩城レイ子)

※週刊ポスト2011年6月24日号

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