『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)に出演中の脳科学者・澤口俊之さんによると、“男性性”に欠ける「草食系男子」が増えた背景には、男性ホルモンの問題があるのだという。いったいどういうことなのだろうか? 澤口氏が解説する。
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男性性は、お母さんの妊娠期が大きく影響しています。なかでもストレスの影響は大きく、妊娠中に夫や姑との関係、または仕事などでストレスを感じたり、不安感を強く持ったりすると、胎内で男性ホルモンがあまり出なくなってしまいます。そして、性別は男性ですが、浴びた男性ホルモンの量が少ないため、「草食系男子」の基礎がつくられるというわけです。また、その後の環境も大事で、「男子としての育てられかた」が希薄でも男性性は低下してしまいます。
男性性をつくる男性ホルモンは、精子の生産にも決定的に重要です。欧米に比べると、20~30才代の日本人男性の精子の量(1回の射精あたり)は3分の1ほど。同じ日本でも20~30年前と比較すると、2分の1から3分の1という報告があります。これほど少ないと、妊娠させる能力も低くなります。一昔前は、不妊の原因は妻にあることのほうが多かったのですが、最近では、夫の精子量も問題視されています。
精子の量は、実は電磁波にも影響されます。ここではその具体名はあえていいませんが、21世紀になって急速に普及している機器からの電磁波の影響で、精子量が減るという研究がいくつかあります。
精子の量は男性ホルモンによっても左右されますから、お母さんだけではなく、現代文明も「草食系男子」の増加に寄与しているといってよいでしょう。
ただ、40~50才代の男性は男性性が強く精子も多い人が多いようです。ですから本来の女性性を持っている女性=「草食系女子」は、無意識に中年の男性を求めてしまっているのかもしれません。
※女性セブン2011年6月30日号