1969年から1971年にかけて都内を中心に爆弾爆破事件が相次いだ。いわゆる「日石・土田邸ピース缶爆破事件」だ。
郵便物に偽装された爆弾が土田國保氏(当時警視庁警務部長、後に警視総監)宅に送られて、夫人が爆死、四男が重傷を負うなどしており、容疑者として18人が逮捕されたが、証拠不十分などで1985年までに全員の無罪が確定している。
既に歴史の中に埋没しかけた事件だが、最近出版された本でこの爆破実行犯が名乗り出た。その過激派の元活動家は「当時は正しいと思った」と通信社の取材に応えているが、この事件にまつわる関係者は現在我が国の政界の中枢に君臨している。政治ジャーナリストの角谷浩一氏は言う。
「この裁判で無罪を勝ち取った弁護団の中心に現在政界で小沢一郎以上のキングメーカーとして辣腕をふるう民主党代表代行で官房副長官を務める仙谷由人氏がいました。またその弁護士事務所に所属していたのが社民党党首・福島みずほ氏。土田氏の部下には国民新党代表・亀井静香氏がいました」
まさに現代政界の中心人物たちがこの事件に関わっていたといえるが、官房長官当時に「自衛隊は暴力装置」など舌禍が続き問責決議を受け事実上更迭された仙谷氏。最近は自民党との大連立の仕掛け人の1人だが、仙谷氏も何年かしたのち、「当時は正しいと思った」とでも言うのだろうか。