東日本大震災では、千葉県浦安市をはじめ湾岸部で液状化が多発した。浦安市は市域の4分の3が液状化。噴き出した泥でマンホールが持ち上げられ、道路もひび割れた。
「家の耐震性を知るには建物の強度だけでなく、地盤の強さについて確認しておくことも重要です」と話すのは、NPO法人・耐震総合安全機構の矢野克巳さん。地盤が軟弱な場所では揺れが大きくなるため、耐震性もより高めておく必要がある。
では、実際に液状化の液状化が起こりやすい土地はどういった特徴があるのだろうか。まず、そのひとつめ、それは河川や湾岸の近くにあるということ。
「液状化が起こるのは、地盤が砂状でゆるく、地下水位の高いところ。こうした地盤の代表的なものが湾岸部の埋立地です。また内陸部であっても、大きな河川沿いや湖の周辺などの埋立地は液状化の危険があります。マンションは、建物を支える杭が深い強固な地盤まで打ち込んであれば傾くことはありませんが、その周辺の道路は液状化被害を受けてしまいます」(矢野さん)
液状化しやすい場所は、各自治体が作成しているハザードマップで確認できる。そして、ふたつめの特徴。それは沼や池だった土地ということ。不動産コンサルタント『さくら事務所』代表取締役社長の長嶋修さんはこう語る。
「以前、ある特定のマンション周辺だけが液状化したケースがありました。おかしいと思って古地図を確認してみると、明治時代には沼があった場所で、埋立地だったのです」
同様に、かつて池や谷だった土地も液状化の危険があるという。昔の地形を調べるには、地元図書館で古地図を見るなどの方法がある。
液状化だけでなく、地盤が崩れやすい土地も確認しておきたい。
「山などの傾斜地を造成した宅地の場合には、斜面を削って平地にしている“切り土”なのか、斜面に土を盛って平地にしている“盛り土”にしているかで地盤の強さはまったく異なります。盛り土の場合は、地盤が充分に締め固められていないため、大地震が来たときには地盤が崩れやすい」(長嶋さん)
切り土か盛り土かの見極めは設計図の中に造成の経違が書かれているのでチェックを。
丘陵地で階段状に家が建っている場合には、“切り土”か“盛り土”かを判断しよう。
※女性セブン2011年6月30日号