「『ガリガリ君』に日本の未来を見た」。そう語るのは、流通ジャーナリストの金子哲雄氏。『ガリガリ君』をヒントにした日本の企業の明日とは? そこにはブランド戦略の考え方があった。以下、金子氏の談。
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東京・上野を歩いていてドラッグストアの店先で『ガリガリ君』の冷却シートと氷タオルを見つけて、感激しました。
アイスの『ガリガリ君』には「とにかく冷たい」イメージがある。その名前で節電の夏を前に保冷剤を出してきた。これはブランドを他の商品にスライドさせていくという、とても賢明なマーケティングです。ハーレーダビッドソンは、バイクだけでなくウエアも好調です。
たとえばソニーだって家電製品ばかり作っていることはない。マンションを建てたっていいんですよ。ソニーブランドのホームシアターが部屋にあったらうれしいですからね。『ガリガリ君』を見習って、ブランドをスライドさせていくのは日本の企業がいま、やるべきことなのではないでしょうか。
※女性セブン2011年6月30日号