現在、株式市場で大きな注目を集めているが「省エネ」関連銘柄だ。震災直後から株価が急騰したものも少なくないが、カブ知恵代表取締役の藤井英敏氏によると「まだまだ上昇余地が見込める」という。以下、藤井氏が解説する。
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大震災と原発事故を経て、電気は不足することが強く認識された。今夏にはオイルショック以来となる電力の使用制限が企業や家庭にまで及ぶこともあって、国民や企業の節電意識はこれまでにない高まりを見せている。
同時に「電力は必要だが、原発はイヤ」というムードも日に日に強まっており、政府はエネルギー政策の見直しを迫られ、原発依存を薄めて再生可能エネルギーにシフトするというスタンスを見せ始めている。今や日本政府や企業はもちろん、一人ひとりの日本人が「省エネ・節電」に大きく舵を切った格好なのだ。
当然、これは株式市場にとっても極めて大きなテーマとなるのは疑いようがないだろう。もちろん、一口に「省エネ」といっても、そのテーマは多岐にわたる。
まず企業でいえば、生産活動などを不足する電力に合わせて縮小するわけにはいかない。少なくとも震災前と同じ効用を震災前よりはるかに少ない電力で効率的に賄うしかない。そのためには、消費電力の少ないLED照明に替えることはもちろん、エアコンの使用量を抑えるために、オフィスの窓に遮光フィルムを貼ったり、室内温度の上昇を抑えるための「熱交換ペイント」などの塗料を壁に塗ったりするケースも出てくるだろう。
家庭でも、太陽光パネルの設置は進むだろうし、そこで発電した電気を貯めておく蓄電池、電力を効率化する高性能のスマートメーターの普及が進むことも予想される。今後、自家発電で余った電力を売るようなエコな家庭が増えていくことは時代の流れといえるのだ。
すでにこうした「省エネ」関連銘柄は震災直後から一躍注目を集め、わずか1か月の間に株価が10倍以上に急騰したものまである。その水準を「もう高い」と見るのか、それとも「まだ上がる」と予想するのか。私なら間違いなく後者を選ぶだろう。
なにしろ「省エネ」というテーマは、震災で崩壊した道路や橋梁を復旧させるような一時的な需要をもたらすものではない。もっと中長期的なエネルギー政策の転換に伴う極めて重要なテーマに今後もなり続けるのは間違いないのだ。
株価的にも、ユビテック(ジャスダック・6662)、省電舎(東証マザーズ・1711)、ファーストエスコ(東証マザーズ・9514)など、省エネ関連銘柄の多くは大幅な上昇を見せているが、上場来高値更新には至っておらず、まだまだ上昇の余地は大きい。
たとえ1か月で10倍もの上昇を見せたとしても、それは長い眠りからようやく目が覚めた段階に過ぎない。これら省エネ関連銘柄が大きく飛躍する時代はいよいよこれから本番を迎えるのだ。そう考えれば、まだまだ買い場であることに変わりはなく、さらなる大化けを狙うには、下がったところが絶好のチャンスともいえる。
※マネーポスト2011年7月号