ビジネス

1か月で10倍以上に急騰の省エネ関連銘柄 まだ上昇余地大?

 現在、株式市場で大きな注目を集めているが「省エネ」関連銘柄だ。震災直後から株価が急騰したものも少なくないが、カブ知恵代表取締役の藤井英敏氏によると「まだまだ上昇余地が見込める」という。以下、藤井氏が解説する。

 * * *
 大震災と原発事故を経て、電気は不足することが強く認識された。今夏にはオイルショック以来となる電力の使用制限が企業や家庭にまで及ぶこともあって、国民や企業の節電意識はこれまでにない高まりを見せている。
 
 同時に「電力は必要だが、原発はイヤ」というムードも日に日に強まっており、政府はエネルギー政策の見直しを迫られ、原発依存を薄めて再生可能エネルギーにシフトするというスタンスを見せ始めている。今や日本政府や企業はもちろん、一人ひとりの日本人が「省エネ・節電」に大きく舵を切った格好なのだ。

 当然、これは株式市場にとっても極めて大きなテーマとなるのは疑いようがないだろう。もちろん、一口に「省エネ」といっても、そのテーマは多岐にわたる。

 まず企業でいえば、生産活動などを不足する電力に合わせて縮小するわけにはいかない。少なくとも震災前と同じ効用を震災前よりはるかに少ない電力で効率的に賄うしかない。そのためには、消費電力の少ないLED照明に替えることはもちろん、エアコンの使用量を抑えるために、オフィスの窓に遮光フィルムを貼ったり、室内温度の上昇を抑えるための「熱交換ペイント」などの塗料を壁に塗ったりするケースも出てくるだろう。

 家庭でも、太陽光パネルの設置は進むだろうし、そこで発電した電気を貯めておく蓄電池、電力を効率化する高性能のスマートメーターの普及が進むことも予想される。今後、自家発電で余った電力を売るようなエコな家庭が増えていくことは時代の流れといえるのだ。

 すでにこうした「省エネ」関連銘柄は震災直後から一躍注目を集め、わずか1か月の間に株価が10倍以上に急騰したものまである。その水準を「もう高い」と見るのか、それとも「まだ上がる」と予想するのか。私なら間違いなく後者を選ぶだろう。

 なにしろ「省エネ」というテーマは、震災で崩壊した道路や橋梁を復旧させるような一時的な需要をもたらすものではない。もっと中長期的なエネルギー政策の転換に伴う極めて重要なテーマに今後もなり続けるのは間違いないのだ。

 株価的にも、ユビテック(ジャスダック・6662)、省電舎(東証マザーズ・1711)、ファーストエスコ(東証マザーズ・9514)など、省エネ関連銘柄の多くは大幅な上昇を見せているが、上場来高値更新には至っておらず、まだまだ上昇の余地は大きい。

 たとえ1か月で10倍もの上昇を見せたとしても、それは長い眠りからようやく目が覚めた段階に過ぎない。これら省エネ関連銘柄が大きく飛躍する時代はいよいよこれから本番を迎えるのだ。そう考えれば、まだまだ買い場であることに変わりはなく、さらなる大化けを狙うには、下がったところが絶好のチャンスともいえる。

※マネーポスト2011年7月号

関連記事

トピックス

中国でライブをおこなった歌手・BENI(Instagramより)
《歌手・BENI(39)の中国公演が無事に開催されたワケ》浜崎あゆみ、大槻マキ…中国側の“日本のエンタメ弾圧”相次ぐなかでなぜ「地域によって違いがある」
NEWSポストセブン
渡邊渚アナのエッセイ連載『ひたむきに咲く』
「世界から『日本は男性の性欲に甘い国』と言われている」 渡邊渚さんが「日本で多発する性的搾取」について思うこと
NEWSポストセブン
 チャリティー上映会に天皇皇后両陛下の長女・愛子さまが出席された(2025年11月27日、撮影/JMPA)
《板垣李光人と同級生トークも》愛子さま、アニメ映画『ペリリュー』上映会に グレーのセットアップでメンズライクコーデで魅せた
NEWSポストセブン
リ・グァンホ容疑者
《拷問動画で主犯格逮捕》“闇バイト”をした韓国の大学生が拷問でショック死「電気ショックや殴打」「全身がアザだらけで真っ黒に」…リ・グァンホ容疑者の“壮絶犯罪手口”
NEWSポストセブン
“ミヤコレ”の愛称で親しまれる都プロにスキャンダル報道(gettyimages)
《顔を伏せて恥ずかしそうに…》“コーチの股間タッチ”報道で謝罪の都玲華(21)、「サバい〜」SNSに投稿していた親密ショット…「両親を悲しませることはできない」原点に立ち返る“親子二人三脚の日々”
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
「山健組組長がヒットマンに」「ケーキ片手に発砲」「ラーメン店店主銃撃」公判がまったく進まない“重大事件の現在”《山口組分裂抗争終結後に残された謎》
NEWSポストセブン
ガーリーなファッションに注目が集まっている秋篠宮妃の紀子さま(時事通信フォト)
《ただの女性アナファッションではない》紀子さま「アラ還でもハート柄」の“技あり”ガーリースーツの着こなし、若き日は“ナマズの婚約指輪”のオーダーしたオシャレ上級者
NEWSポストセブン
財務省の「隠された不祥事リスト」を入手(時事通信フォト)
《スクープ公開》財務省「隠された不祥事リスト」入手 過去1年の間にも警察から遺失物を詐取しようとした大阪税関職員、神戸税関の職員はアワビを“密漁”、500万円貸付け受け「利益供与」で処分
週刊ポスト
世界中でセレブら感度の高い人たちに流行中のアスレジャーファッション(左・日本のアスレジャーブランド「RUELLE」のInstagramより、右・Backgrid/アフロ)
《広瀬すずもピッタリスパッツを普段着で…》「カタチが見える服」と賛否両論の“アスレジャー”が日本でも流行の兆し、専門家は「新しいラグジュアリーという捉え方も」と解説
NEWSポストセブン
子宮体がんだったことを明かしたタレントの山瀬まみ
《“もう言葉を話すことはない”と医師が宣告》山瀬まみ「子宮体がん」「脳梗塞」からの復帰を支えた俳優・中上雅巳との夫婦同伴姿
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《12月1日がお誕生日》愛子さま、愛に包まれた24年 お宮参り、運動会、木登り、演奏会、運動会…これまでの歩み 
女性セブン
海外セレブの間では「アスレジャー
というファッションジャンルが流行(画像は日本のアスレジャーブランド、RUELLEのInstagramより)
《ぴったりレギンスで街歩き》外国人旅行者の“アスレジャー”ファッションに注意喚起〈多くの国では日常着として定着しているが、日本はそうではない〉
NEWSポストセブン