デフレが続く日本経済。価格破壊が一向に止む気配がない中、業界の常識を大きく覆すナイトスポットが登場しているという。ナイトスポット評論家・松岡錠二氏が語る。
「東京・秋葉原にあるランパブ(ランジェリーパブ)なのですが、夕方の時間帯は1セット30分1000円という、画期的な価格破壊を実現しているのです」
松岡氏が“画期的”と評する店は、秋葉原の『ランジェリークラブ ゼウス』。まずセット料金が格安で、18~19時の間は1セット30分1000円(税・サは料金の20%)。そして、特筆すべき点が18~20時に設定されたディナータイムだ。この時間帯は客による食べ物の持ち込みが自由で、「おそらく業界初のシステムだろう」(松岡氏)。
同店はオールタイム・フリードリンク制なので、セット料金だけでビール、焼酎、ウィスキーが飲み放題となる。つまり、18~19時であれば、自分が持ち込んだ食べ物をおつまみにして、わずか1200円(税・サ込み)という立ち呑み価格で、30分間飲み放題のランパブが楽しめるというわけだ。
この戦略的な価格設定について、佐々木幸一店長は「居酒屋需要を取り込むことが狙い」と語る。
「キャバクラやランパブは、まず居酒屋などで飲んでから行くというお客さんが多いのですが、不況の影響で、1軒目で帰る人が多くなってしまった。それなら、居酒屋とそれほど変わらない金額にして、1軒目として来てもらうことを考えたのです」