デフレが長引く日本経済で、価格破壊の波はナイトスポットにも押し寄せている。東京・秋葉原にあるランジェリーパブでは、ディナータイムは“食べ物持ち込みOK”で1セット30分1000円という激安価格を実現しているという。
18~19時であれば、自分が持ち込んだ食べ物をおつまみにして、わずか1200円(税・サ込み)という立ち呑み価格で、30分間飲み放題のランパブが楽しめるというわけだが、しかし、実際30分で帰る客はいるのだろうか? 食べ物を持ち込むといっても、何を持ち込めば良いのか? 女の子のレベルは? 早速、出撃してみることにした。
秋葉原の『ランジェリークラブ ゼウス』を訪れたのは金曜日18時のオープン直後。すでに店内には客が入っており、30分もするとほぼ満員に近い状態となった。食べ物持ち込み自由のディナータイム(18~20時)だけに、客の約8割が何らかの食べ物を持参している模様。メニューとしては、ハンバーガーやフライドチキンといったファストフード系のテークアウトが目立つ。寿司の折り詰めや、明らかに豪華な弁当などもちらほら。そして、常連客のために作って来たのであろう、手作りの弁当を客に食べさせているランパブ嬢もいる! 心温まるサービスといえようか。
このディナータイムはランパブ嬢にも好評だ。記者に付いてくれた女の子は、「空きっ腹でお酒を飲むことがなくなってカラダにいいですね。ただ、ついつい食べすぎちゃうのが悩みでーす」と笑う。
常連客となると、週3~4程度で来店する客も多く、また、そういう客の中には、1セット30分だけで帰る人も少なくないという。実際、30分で帰る客を結構目撃した。
同店は、女の子もフリードリンクなので、ランパブ嬢がドリンクを注文しても追加料金はなし。指名料も無料。延長は20分単位で3000円(税・サ込み)なので、50分いても4200円で済む。指名料や女の子のドリンク代を勘案すると、他のランパブの半額程度、キャバクラよりも安い。また、肝心の女の子のレベルだが、大手グループの系列店だけに、極めて標準的なレベルで、肌の露出も過不足がない。こうした店は今後も増えるのだろうか? ナイトスポット評論家の松岡錠二氏が解説する。
「低料金で遊べるガールズバーがブームとなったことで、キャバクラやランパブから客が離れて閉店も相次いだ。しかし、カウンター越しでしか接客をしないガールズバーは、露出を含めたサービス面で客が物足りなさを感じ始め、ブームはすでに終息しつつあります。飲食代込みで4000~5000円で完結できるような店が増えれば、キャバクラやランパブに客が戻る可能性は高い。だが、そうした店が増えるには、こうした店舗のように従業員の数を最小限にするなど、店側の合理化努力がポイントになるでしょう」