みんな大好きなから揚げがいま話題を呼んでいる。街には行列のできる専門店が増え、デパートではイベントが、テレビや雑誌でも特集が組まれるほどの人気ぶりだ。
ところで、皆さんは、日本で最初のから揚げをご存じだろうか? 愛媛県今治市に郷土料理「せんざんき」があり、「藩政時代、近見山のキジを捕まえて揚げ物にした」といわれている。300年前のことだが、文献による記述はない。現代のから揚げが外食メニューに登場したのは昭和7年ごろ、現在の三笠会館(東京・銀座)の前身「食堂・三笠」の鶏料理専門の支店にて、営業不振の打開策として考案した「若鶏の唐揚げ」が最初だ。
ちなみに、鶏肉の消費量日本一は大分県。北部には養鶏場が多く、中津市は60店以上のから揚げ専門店が並ぶ鶏から揚げの“聖地”となっている。また昭和30年代、宇佐市「来々軒」から作り方を受け継いだ「庄助」が日本初のから揚げ専門店として店舗展開。宇佐市は「から揚げ専門店発祥の地」としてから揚げファンから支持されている。
揚げ方、食べ方はその土地によって違う。しっとり食感が特徴の名古屋の手羽先は、から揚げにした手羽先にたれを塗り、塩・こしょう・ごまなどを後から振ったもの。宮崎のチキン南蛮は、から揚げを進化させたもので、甘酢につけて、タルタルソースをかけて食べるのが主流だ。
※女性セブン2011年7月7日号