菅直人首相の居座りで混迷至極の永田町。ついに国民新党代表・亀井静香氏への首相待望論も出始めた。
中曽根、竹下、宇野の3代の政権で内閣安全保障室長を務めた佐々淳行氏が、菅首相と亀井氏のリーダーの資質をこう指摘する。
「今回の東日本大震災の対応を見ると、原発事故が刻々と進む中で、事前に決められていた会合に菅首相が出ているようでは宰相としての能力は全く発揮できていない。ただし、彼は市民運動出身だから自然エネルギー法案などという妙な知恵をゲリラ的に持ち出して自分の身を守る“危機管理”には優れている。亀井は浅間山荘事件の時の私の部下。問題発言は多いし、喧嘩早いトラブルメーカーだったが、非常時に超法規的措置を断固たる決断で実行できる」
どのみち「亀井救国内閣」は長くは続かない運命だ。
亀井氏は「支持率0%」の政党の代表だから勝手に解散も打てないし、年齢的にも1年限定が精一杯だろう。ただし、官僚もメディアも恐くないから、思い切った政治ができる。
「小党党首をトップに戴く政権はどうやっても安定しない。小沢さんも亀井さんもそれはわかっている。超党派で震災復興と原発処理に道筋をつけた段階で解散・総選挙になることは既定路線だ。菅一派にはそれすらできない。総選挙は来春になるだろう。その次にできる本格的な新しい政治までのつなぎ役として、亀井さんは最も“すわりのいい人”であることは間違いない」(民主党幹部)
そんな空気が、ひそかに永田町に広がり始めている。
※週刊ポスト2011年7月8日号