原発事故で政府・東電の誤った情報を垂れ流し、「原発記者クラブ」と化した新聞・テレビの報道の問題をめぐって東京新聞・中日新聞論説副主幹・長谷川幸洋氏とジャーナリスト・上杉隆氏が対談。上杉氏は「自由報道協会」の会見に小沢一郎・元民主党代表を呼ぶなどし、「仲がいい」などと噂されるが、果たしてどうなのか。本当に仲がいいのか。
* * *
上杉:記者クラブの記者たちは、僕が小沢一郎と仲がいいと思っているわけですよ。でも、僕、小沢さんと飯を食ったのは1回しかないですからね、しかも、15人のフリーの記者を集めたときだけ。
それがどうして自由報道協会(上杉氏らが立ち上げたフェアな報道の場を提供するための非営利組織)で会見するようになったかというと、それは、小沢さんの記者会見にずうっと通って、小沢さんの気に食わないこともがんがん聞いたわけですよ。
小沢事務所から「あの質問はないだろう」って電話も来たし、側近議員からもほとんど嫌われてるし。でも小沢さんからすると、あいつ(上杉)はどんどん書くけど、顔を出して、名前を出して批判してくるからいいということになる。
一方、記者クラブの人たちっていうのは、表では、「すごいですね、小沢さん」っていっておいて、裏ではボロクソいってるわけですよ。政治家は、そんなのわかりますからね。
長谷川:すぐわかる。
上杉:そういう正直じゃない者に対しての嫌悪感があるので、小沢さんは記者会見を開かない。で、いざ記者会見を開こうとしたら、もう、彼のとこ(自由報道協会)でいいじゃないかとなる。要するに、いいことも悪いことも表で正々堂々とやろうやと、その感覚ですよね。でも、それが日本の記者クラブのヘタレ記者にはないんですよ(笑い)。
※週刊ポスト2011年7月8日号