取り上げた赤ちゃんは約4000人という、日本最高齢の助産師・坂本フジヱさん(87)。現在も現役の助産師として多くの妊婦を健診し、出産に立ち会っている坂本さんが、親子の絆についてこんな話をしてくれた。
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子宮口が8cm開くまでは本当に痛い。全身の毛穴から煮えたぎったお湯が噴き出る感じです。しかし、そこから先はもう痛くないんです。ものすごく楽になって、究極の快感が来ます。恍惚感です。セックスのときより、もっとすごい喜びです。
これを経験すると、子供が愛おしくなってまた産みたくなる。私のとこには、5人は多いけど4人産む人はザラです。経済的に苦しい、そやけどもうひとり産みたい。
私、学校に思春期教育に行ってます。お母さんに“悪魔”といわれてる子がいました。「あんたのために、私はあんな苦しい思いをした」と。親子とも不幸ですね。痛いを越えて快感を覚えると、親子の絆が強まるのに。
病院を批判するわけではないけど、いろんな機械に囲まれ、システムで出産すると、理屈っぽいお産になるのかな。だから絆も生まれない。
お産で死ぬことは絶対ないから、なんにも心配いらん。しかしお産とは、手で上手に取り上げるもんではない。口で産ますんです。話しかけるんです。なぐさめ、なぐさめ、長い陣痛のあいだを本当になぐさめながら、お母さんの心が自然に出産の瞬間を迎えられるようにするんです。
※女性セブン2011年7月14日号