【書評】『真夏の方程式』(東野圭吾/文藝春秋/1700円)
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仕事で訪れた玻璃ヶ浦の旅館で、物理学者の湯川は、大阪からやってきた少年・恭平と意気投合する。が、ある日、宿泊客で元刑事の男が堤防から落ち遺体で発見。死因に不審な点も多く他殺の線で捜査が始まり、湯川も独自に調査する。〈「学者って、いろいろと大変だね」(中略)「楽をしていては真理を掴めない」〉。果たして湯川の得た真実は、恭平の親戚でもある気のいい旅館経営者一家の知られざる過去だった――。待望のシリーズ新刊。
※週刊ポスト2011年7月8日号