ドイツで開催されている女子サッカーW杯で、その強さが世界で認められているなでしこJAPAN。しかし、それだけの実力を持ちながら、国内での影は薄い。しかも代表クラスの選手でさえ、普段は“赤貧生活”を強いられている。
代表選手のほぼ全員が、日本の女子サッカーリーグ「なでしこリーグ」のチームに所属している。その中で「最も待遇が良い」(サッカー協会関係者)といわれる「INAC神戸」でさえ、「給料は月額で10万円前後。当然、家賃や食費もそこから捻出しなければならないので、練習に手製の弁当を持ってくる選手もいる」(球団関係者)という状況だ。
「そもそも給料が出ること自体が珍しいケース」と語るのは、代表のキャプテンでW杯5大会連続出場となる澤穂希(32)だ。
「昼間に練習できるだけで恵まれている。代表でも多くの選手が昼間はレジ打ちなどのバイトをして生計を立て、夜に練習しています。私は神戸に所属しているのでサッカーに専念できていますが、昔のチームでは昼に練習なんてできませんでした」
昼の顔が「温泉旅館の仲居」「農家」という選手もおり、「就職先を斡旋してくれるチームに選手が集まりやすい」(サッカー協会関係者)傾向があるという。
※週刊ポスト2011年7月8日号