同じ“プリンス”でも、このモテっぷりの差はどこからくるのだろうか? “球界のプリンス”日本ハムの斎藤佑樹投手(23)は、一時期のモテはやされぶりから比べると、ちょっと人気下降気味。オールスターゲームの人気投票でも5位(パ・リーグ先発投手)となり、落選してしまった。 一方、“韓流プリンス”のチャン・グンソク(23)は、すさまじい人気だ。来日時には、空港にファン約800人、会見には報道陣は約300人が詰めかけ、テレビではその一挙手一投足が報道される大フィーバー。奇しくも同い年のふたりの“モテ度”の違いについて、駒沢女子大学教授で心理学者の富田隆氏に分析してもらった。
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まず、世間では、「草食系男子」「肉食系男子」と男性のタイプをふたつに分けるのが主流になっていますが、どちらがよりモテるかを比べるのはナンセンスです。モテる男性とは、“パワー”のある男性のことです。パワーというと肉体的なものと捉えがちですが、人気、経済力、政治力などもパワーとなります。
斎藤佑樹投手は、外見的なやわらかさと、品行方正な優等生といったイメージから世間的に草食系男子と捉えられていますが、彼の場合も、あるパワーによってモテている。それは、野球選手としての実力よりも、メディアへの露出や観客動員が見込めるアイドル的な人気としてのパワー、ということになります。
そのため、東日本大震災が彼にとって不利に働いてしまった。テレビや雑誌では、震災報道がメインとなり、その間、メディアへの露出が極端に減って彼のパワーを弱めることになってしまったのです。
一方、チャン・グンソクですが、彼のもっとも目を引くところは、一見女性と見紛うほどにきれいなルックスです。その中性的なイメージから、おっとりとした草食系男子と区分しそうになりますが、会見などでの彼の言動を見ていると、これがどうも違う。むしろ、肉食系男子のような向きがある。
「俺だけ見ろ!」と日本語で声を張り上げたり、日本の女性をどう思うか?との質問に、「キライ」と答えた後、「ウソ、大好き」というやり取りがそれです。彼のこうした俺様的な発言に、会場の女性たちからはひと際大きな歓声が上がっていました。
チャン・グンソクが持つパワーをひと言でいうなら、“ギャップ”です。彼の中性的でやわらかな外見と、男性的な言動という取り合わせの意外性が魅力なのです。女性は、昔から男性のギャップが生み出すパワーには弱く、惹かれやすいんです。
このギャップという魅力にはさまざまなものがあります。一例を挙げれば、衆議院議員の亀井静香氏のケースです。亀井氏は、その女性的できれいな名前とはおよそ似合わないコワモテと豪腕ぶりで強烈な個性を放つ政治家ですが、その半面、油絵を描いたり歌を詠んだりといった繊細な趣味を持っていたりする。その意外性にクラッときたという女性はけっこういたといいます。
斎藤投手は今後、野球選手としてのパワーを得てもっと活躍すれば、これまでのイメージとの間にギャップが生まれて、よりモテていくと思います。