『ホンマでっか!?TV』に出演中の脳科学者・澤口俊之氏によると、憂うつな梅雨を乗り切るためのカギは、脳内ホルモンのひとつ「セロトニン」にあるという。澤口氏がセロトニンと“うつ”について解説する。
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セロトニンは、安らぎを与えてくれるホルモンといわれるほど幸福感を左右します。セロトニンは、セロトニン神経が受ける刺激の強弱によってその量が増減します。そしてセロトニン神経にとって最大の刺激が、日光を浴びることなのです。ですから季節によってセロトニンの量は変動し、梅雨の時期は減ってしまいます。
セロトニンの量が減ると気分が憂うつになり、やる気がなくなります。それでは困りますから、梅雨時の脳対策は、セロトニン神経を鍛え、活性化することだといえるでしょう。セロトニンの量が増えると、気分がよくなり仕事も家事もよくできる人になれるはず。その状態を維持できれば、ストレスにも強くなります。
そのためには、【1】晴れた日は早起きし、日光を浴びる【2】食事の際はよく噛んで食べる【3】ウオーキング【4】腹式呼吸を行う、などです。咀嚼やリズミカルな歩行運動等には、いずれもセロトニン神経を活性化させる効果があることがわかっています。
ただし、気分と知的能力は異なります。暑くて湿度が高ければ知的能力は下がりますが、梅雨程度の暑さと湿度ではそれほど下がりません。ですから、梅雨のせいで気分が優れなくても、部屋で知的作業はできるはずです。仕事がはかどらない理由を梅雨のせいにするのはよくありません。
嫌な季節の梅雨ですが、晴れ間にはできるだけ外出を心がけ、前述のような方法も加えて、幸福感を増せるように心がけてほしいと思います。
※女性セブン2011年7月14日号