一般家庭でも、ちょっとした工夫で放射能を除くことができると、放射線の安全管理について研究を行っている日本放射線安全管理学会が科学的なデータとともに発表した。
では、衣服や土壌、野菜に付着した放射性物質についての対策法は――同学会の代表を務める名古屋大学名誉教授の西澤邦秀氏は語る。
「放射性セシウムが付着した原発作業員の靴下を洗濯機で普通に洗濯したところ、1回で75%、3回では85%除去できました。すすぎの際に大量の水で流されるため、洗濯槽内やすすぎ水から放射線は確認されませんでした」
家庭の庭の土の汚染についても気になるところだが、地表1cmの放射線量は、厚さ2cmの土をかぶせるだけで68%、10㎝かぶせれば93%下げることができたという。
「放射線量を下げるために大事になるのは、かぶせる土の密度です。ふかふかの柔らかい土では密度が低く隙間があるので、放射線を通しやすくあまり効果がありません。砂利に細かい砂を混ぜた物であれば、密度が高く詰まっているので、より放射線量を下げることができると思います」(西澤氏)
また、野菜についてはまだ対策を検討する余地はあるものの、水洗いでも半分くらいには落とすことができるという。同学会の野菜調査担当者はいう。
「キャベツやレタスなどの葉ものは一枚一枚はがして、ざるに入れて流水で洗うとよいでしょう。丁寧に洗ってください。きゅうりやなすやにんじんは皮をむくか、たわしでこするのも効果があると思います。ただ、傷んでいる部分や枯れている部分は繊維に放射性物質がはいりこみやすく除染が難しいため、切り落として除くのがよいでしょう」
放射能はこんな手段でも着実に減るのだ。
※女性セブン2011年7月14日号