これほど嫌われても続投の意欲を失わない菅直人首相。その根性には敬服するしかないが、この嫌われ者総理の心の支えが、姉さん女房にして従姉でもある伸子夫人だ。
被災地へ“お忍び”ボランティアに行ったと“リーク”するなど、相変わらずこの人も薄っぺらだが、権力の座に対する執着は夫以上という。
すでに菅政権が完全に死に体になっていた、ある日の昼下がり――。
伸子夫人は有力企業の経営者や官僚OBなどで構成される「親睦会」のメンバー約20人を公邸に招いた。残り少ない公邸生活を親しい友人たちと分かち合うため、というわけではなかったようだ。
その場で伸子夫人は自ら招待客に公邸を案内し、2時間ほどの歓談の中で「ファーストレディ続投」に意欲満々だったという。参加者が明かす。
「伸子さんは公邸の1階から2階まで、菅さんの書斎以外のほとんどの部屋を見せてくれました。
一緒に行った人たちとは、事前に“もう引っ越しの準備をしているんだろうね”なんて話していたら、そんな様子は微塵もなかった。『私がこれと見込んだ方などをお招きして意見交換しているんですよ。菅は最後まで職責を全うしますから、皆様も支えてくださいね』と、精力ギンギンでした」
夫人は一行を案内しながら、公邸での暮らしぶりを開けっぴろげに語った。
公邸の周囲はSPが24時間態勢で固めている。ある招待客が「不自由でしょう?」と同情すると、「庭の散歩をしたりして、結構楽しいんですよ」と夫人。そんな公邸ツアーの途中、招待客がギョッと目をむいたのは、キッチンに無造作に山積みされた缶ビールの段ボール箱だった。
「誰がこんなに飲むんですか」と水を向けると、夫人は声を上げて笑った。
「なかなか外に飲みに行けないでしょう。だから近くの酒屋さんでまとめ買いして、菅と2人で飲むのよ」
酒豪で鳴らす伸子夫人。ビール、焼酎、ワインと何でもござれで、夫が酔い潰れても介抱もせずに飲み続け、喋り続けることで知られる。まだ息子たちが子供だった頃から、その子供を連れて夫婦で新宿ゴールデン街の小さなカウンターバーを“占拠”し、ガンガン飲んでいたという酒豪伝説も、つとに有名だ。
ただ、いくら酒好きとはいえ、「とても1、2か月で飲める量じゃなかった」(前出の参加者)という。
※週刊ポスト2011年7月15日号