家電メーカーの商品サイトで、節電・節水などエコのコツを丁寧に解説していたり、風邪薬の商品サイトには、風邪のメカニズムや予防のための知識を紹介していたり……と、昨今の企業サイトは宣伝目的だけではなく、ユーザーにとって役立つ情報を発信しないと、もはや支持されない時代となっている。
そうしたタイプのサイトのひとつである『ロリエ きれいスタイル』商品サイト。こちらは女性にとって“気になるけれど、人には相談しにくい”「おりもの」に関するコンテンツや「I LOVE SHITAGI.com by下着力向上委員会」など、下着にまつわる調査データやインタビュー、下着ケア情報、下着メーカーとのコラボ企画……といった「下着に関連する、“まじめ”なお役立ち情報」が多く集められている。
しかしこの商品サイトに2011年夏、“異変”ともいえるコンテンツが登場した。「スナック“パンティ”営業中」の文字、そして「名物ママ、蘭・ジェリーが下着について赤裸々に語るわよ。」とある。
「もっと下着を楽しもう!」とか、「下着のおしゃれ、楽しんじゃお!」といった、従来コンテンツのコピーとは、明らかに異なるトーン。
「蘭・ジェリーのプロフィール」をチェックしてみると、すでにツッコミどころが満載。
【好きな食べ物】餃子 ほら、形がパンツと似ているじゃない
――これからは餃子を見ると、パンティのことを考えてしまいそうだ。
【好きな男性のタイプ】子犬のように従順で少し不器用、どこか少年っぽさが残るオトコ
――特殊な好みではないけれど、何かを予感させる言い回し。
【性別】心はオンナ
――あぁ、やっぱり。そっち方面のキャラクターなのか? そしてさらにコンテンツを見て行くと、「有名オネエのママ、蘭・ジェリー」の一文を発見。
TVのバラエティ番組を中心に、オネエ系タレントを見ない日はないし、ストレス社会の反動なのか「辛口」や「批判」をストレートに言う姿に、支持が集まるというのもうなずける。
ある意味、実際の女性よりも女性らしいのがオネエキャラの特徴であるし、一般女性からのエピソードにコメントする――といったことを考えると、辛口でもウケが良いオネエと女性用商材という組み合わせは不思議ではない。
でも商品はあくまで「パンティ・ライナー」という、女性専用の商材。そのキャラクターとして、あえて“本当は男性である”オネエを起用したのは、かなりの冒険だろう。
まじめなコンテンツの中で異彩を放つ“蘭・ジェリー”が、今後オネエとしてどれほど赤裸々なコメントをしてくれるのか、「形がパンツに似ているから、餃子が好き」的なセンスがどれくらい発揮されるのか……。