ゴールデンタイムといわれた19時台であっても1ケタの数字しかとれない惨状に、コストカットの波は、各局正社員の給与にまで波及している。それは「局の顔」であるアナウンサーたちにとっても例外ではない。特に厳しいのが日本テレビだ。
日テレは昨年10月、労働組合の大反対を押し切って給与カットに踏み切った。実質「賃金3割カット」(日テレ局員)ともいわれ、定期昇給が大きく見直された。退職金や各種手当も削られているという。
一般のサラリーマンからすればそれでも相当な高給だが、一部の有名アナウンサーからすれば不満が出るのも無理はない。給与だけの問題ではないだろうが、日テレでは今年になって、羽鳥慎一(40)、夏目三久(26)、山本舞衣子(33)といった人気アナが続々フリーに転身。そして西尾由佳理(33)も『24時間テレビ』の司会を終えた後の8月末には退社することが決まった。日テレ局員がいう。
「西尾クラスなら、前の給与体系なら1300万円以上はもらっていたはず。だけど、新給与体系なら1000万円を下回ってしまう可能性が高い。西尾のレギュラーは今、『世界まる見え!テレビ特捜部』の1本だけ。これと同じ仕事だけでも、フリーになれば十分、会社員時代の収入は確保できるでしょうからね。
西尾はそれほど仕事にガツガツしていないタイプですが、“それならフリーに”と思うのは当たり前ですよ。今後、人気女子アナの流出はまだまだ続くはず。我々制作サイドの社員は、逃げ出す術なんてないから、羨ましい限りですが」
※週刊ポスト2011年7月15日号