民放各局が低視聴率に喘ぎ、バラエティ番組の制作費は軒並みカットされている。そんな「バラエティ冬の時代」において、数少ない成功例が『お願い!ランキング』(テレビ朝日系)だ。
『お願い!ランキング』はテレ朝が「制作費5割超のカット」(テレ朝関係者)という逆境の中で生み出した新機軸。コンビニやファミレスなどの人気商品ランキングを番組に採り入れた形で、スポンサーが広告を入れやすい。
この番組が深夜枠でヒットした後、『お願い!ランキングGOLD』でゴールデンに進出、それ以外にも、飲食店のランキング上位10品目を当てるまでメニューを食べ続けなければいけない『帰れま10』コーナーが人気の『お試しかっ!』や『シルシルミシル』など、同様のランキング番組は今やテレ朝の顔になっている。
「スポンサーや広告代理店にもすこぶる受けがいいようで、“『帰れま10』のような企画はできないか”と、編成から相談されることが増えました……。今や制作の現場は、“質のいい番組”より、二番煎じでもいいから“広告の取れる番組”が求められているんです。これじゃ若手もやる気が出ない」(民放ディレクター)
スポンサーが喜ぶ番組を、という指令に現場は疲弊しきっているようだ。
※週刊ポスト2011年7月15日号