夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回の報告は、アパレルメーカー勤務のご主人(36歳)。奥様(36歳)との間には7歳の息子さんがいます。
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調味料の「さしすせそ」ってありますけど、我が家には「す」のお酢も「せ」の醤油もありません。冷蔵庫を開けるとズラリ、何本も並んでいるのはマヨネーズです。
新婚時代は女房もいろんな調味料を使い、美味しい料理を作ってくれました。でも、子供が生まれてからは「ひとつひとつ、味付けしてるのって時間がかかるし、これ1本あれば、子供も大喜びだわ」と、すっかりマヨラーに。
確かに洋食には合うかもしれません。でも、刺身とかにはやっぱり醤油でしょう。スーパーで中トロを買ってくると、わさびと醤油が付いているので、それを使えば大丈夫でした。
ところが先日の夜、「やっぱり、料理って創意工夫よね。わさびのかわりにマヨネーズを入れたら、すごく美味しいわよ!」と、女房が刺身と一緒に出してきたのはマヨネーズ入りの醤油の小皿。そして、ご飯までもマヨネーズが!
「料理番組でやってたの。ご飯にバターを入れるとすごく味がまろやかになるんだって」。だったら、バターにしろよ! なんでマヨネーズなんだよ!
文句をいうと、「美味しいのに、パパっておかしいわよねぇ」と、息子に同意を求める女房。「そうだよ、パパ。おかしいよ」って、息子が独立するまで、ひたすら我慢なのかよ!
※週刊ポスト2011年7月15日号