太陽が燦々と輝く6月29日、埼玉県熊谷市。5日前の24日に6月の観測史上国内最高の39.8度を記録した“日本一暑い町”は、この日も最高気温36.6度の猛暑日だった。湿度が高く蒸し暑い。JR熊谷駅前は冷却用ミストが降り注ぐ“クール・スポット”だが、あまりの暑さに気休めにしか感じられない。
JR熊谷駅から徒歩10分の場所にある桜の名所・熊谷桜堤。居並ぶ木々がつくる陰のなかをミニチュアダックスフントと散歩していたA美さん(46才)がいう。
「昔からここは暑い。私は10年ほど前に熊谷へ越してきたけど、最初はあまりの暑さに入院しました。体調を崩しちゃって。6月24日は本当に暑かったです。たまらず昼からエアコンを入れました。洗濯物を取り込むとき外に出たら、ドライヤーのような熱風が吹いていました。今年は節電が大事とわかっているけど、ペットがいるので、ついエアコンを入れてしまいます。なるべく28度にしていますけどね」
木陰でひと休みしていたB子さん(82才)がつぶやく。
「節電で扇風機とクーラーを併用しているけど、それでも暑いから設定温度は25℃や26℃にしちゃいます。病院に行くと涼しいからつい長居しちゃう。診察が終わってからも1時間くらいいます。暑いから家にいられなくて、午前、午後の2回喫茶店に行くことも。涼みになるし節電にもなるからね」
熊谷桜堤に隣接する荒川公園では、お昼時に日陰で涼む市民の姿がちらほら見られた。そのうちのひとり、50代女性に「熊谷は暑いですね」と声をかけると途端に顔を赤くした。
「『日本一暑い』って何度もマスコミの人に声をかけられますが、そういわれて喜ぶ人はいない。住んでいる人には迷惑千万です。そっとしておいてほしい!」
※女性セブン2011年7月21日号