ベストセラー『間違いだらけのクルマ選び』著者として知られる徳大寺有恒氏は辛口評論家として知られる。だが、そんな同氏でもオススメする名車がある。それはトヨタのランドクルーザーだ。同氏はランドクルーザーを「街乗りしたくなる世界一のオフロード性能」と認めている。しかし、同車を都心で乗りこなすにはドライビングテクニックだけでは足りないというのだ。必要なものとは、何か――。
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世界で最も評価の高いSUVである。大きなボディと頑丈な独立フレーム、悪路をものともしない4WDシステム――ランドクルーザーは硬派そのもの、真正のマッチョカーである。ただし、威風堂々としていながら、硬派一辺倒ではないスタイルもあって、街乗りしてみたい誘惑にも駆られてしまう。
ただし、こいつを都心でイヤ味なく乗りこなすには、かなりのクルマ体験と人生経験が必要となる。その意味で、中高年ドライバーにはチャレンジしてもらいたい一台なのだ。
ランクルに搭載されているのはV型8気筒4.6Lのエンジン。電子制御式の前後スタビライザーや車高とダンバー減衰力可変機構など最新のシステムと相まって、オフロード性能は世界一の水準に達している。
弟分のプラドはランクルより全長、車幅、車高、車重ともダウンサイズしているものの、4LのV型6気筒、2.7L直列4気筒エンジンを搭載しており、ヘヴィデューティーに耐える走行性能を持つ。
こういうクルマの本来の活躍の場は日本では少ない。だが、クルマを所有する喜びは実用面にだけあるわけではない。タフに生きたい人にとってこれ以上のクルマはない。
※週刊ポスト2011年7月15日号