高島彩や羽鳥慎一ら人気アナウンサーの退社がここしばらく相次いだ。フリーになっても引く手あまた、というトップクラスのアナウンサーなら前途は明るいが、そうではないアナウンサーたちは酷使が続いているようだ。ある民放の制作スタッフがいう。
「地上デジタルへの完全移行で、各キー局ともBSの仕事の負担が増えているんです。BSは地上波以上に制作費をかけられないから、フリーを使わず女子アナがフル稼働している」
一方、夏の人事異動で、アナウンサーという職を去らねばならない女子アナもいる。フジテレビの報道局員がいう。
「かつて『めざにゅ~』を担当していた宮瀬(茉祐子)アナ(29)は、アナウンス部から広告宣伝部に異動になる。数年前までは人気アナのひとりでしたが、ちょうど『週刊ポスト』で、巨人の亀井との飲み屋でのキスを報じられた頃から仕事が激減していた。
いまや、新入社員も数年前の半分程度に減っている時代。女子アナといえど、仕事がなければ営業や制作に送られる時代なんです」
視聴率低下とともに吹き荒れる、テレビ界への逆風。現状を打開するには、誰もが惹きつけられる新番組を作り出すしかない。
財団法人省エネルギーセンターの試算によると、テレビを1時間観ずにコンセントを抜いておけば、家庭での電力使用量の1%を削減できるという。節電方法を紹介するテレビ番組では全く報じられないが、テレビを消すことは、非常に有効な節電になるのである。テレビは消そう――そう思われないだけの新機軸を、テレビ局は打ち出せるのだろうか。
※週刊ポスト2011年7月15日号