9月20日に日本武道館で開催される「AKB48 24thシングル選抜じゃんけん大会」。じゃんけんにより選抜メンバーを決定するこの大会は、昨年に続き2回目。前大会はAKB48、研究生51人が出場し、内田眞由美(17)がセンターをゲットしたが、今回はSKE48、NMB48からの予選通過者も加えた総勢71名が出場。
さらに大規模なじゃんけん大会となる。出場メンバーにとって気になるのは、どうすればじゃんけんに勝てるのか、ということだろう。そこで1万回以上のじゃんけんデータを分析した桜美林大学教授・理学博士の芳沢光雄さんに必勝法を聞いた。芳沢さんは前大会で、確率論から総選挙ベスト16が選抜入りする期待値を“4.25人”と弾き出し、“的中”(実際は4人)させている。
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10年ほど前、一般の725人のじゃんけんデータをゼミ学生にとってもらい、総計11567回分のデータをとりました。それによると、グーが4054回、パー3849回、チョキ3664回でした。このデータから、以下のようなことがいえます。
【1】勝率が高まるのはズバリ、パー
それぞれの手の回数を確率に直しますと、グー35%、パー33.3%、チョキ31.7%となりますので、パーを出せば勝率が高まることがデータからわかります。
【2】緊張する場面では、パーを出せ
チョキの数がもっとも少ないことからもわかるように、人間はチョキの手の形を作りにくいんです。また、人間は怖いときや緊張したときには、本能的に拳を握る習性があります。ですので、勝負事であるじゃんけんのときはその場の緊張感から、よりグーが多くなると思います。これらのことから、パーを出せば勝率は高くなるといえます。今回のじゃんけん大会のような大舞台ではパーを出せば勝てる可能性が高まるともいえます。
【3】あいこのときは、次にそれに負ける手を出せ
データでは、前に出した手と次に出した手が同じかどうかを、10833回チェックしてみました。そのうち、同じ手を続けて出した回数は約4分の1の2465回だったんです。これは確率的にいうと非常に少ない。つまり、人間は次々に違う手を出したがるということです。ということは、あいこのときは、次にそれに負ける手を出すと有利になりますよね。例えば、パーであいこになった場合、その手に負けるグーを出せば、勝ちか、悪くても引きわけに持っていきやすくなります。
以上の3つが、データから導き出されたじゃんけんの必勝法となるのですが、あえて4つ目を加えるとするなら…。
【4】絶対に弱気になってはいけない
勝負事というのは、精神の強さの勝負といった側面もあります。勝負に対して弱気になると相手に一気にのまれてしまいますので、強気になることが大事です。強気になることで冷静さを保ち、相手の手のクセを読むことができるかもしれません。
そういった意味で、AKB48のじゃんけん大会は、精神力の闘いでもあります。先日の選抜総選挙で、惜しくも選抜外となったメンバーたちにとって、このじゃんけん大会は敗者復活戦の大博打みたいなもの。私たちが想像する以上に気迫にみなぎっていると思います。ちなみに、私が個人的に注目しているメンバー(推しメン)は、梅田彩佳さん(22)です。ひたむきな実力派で選抜総選挙では22位となりました。疲労骨折による長期のブランクにもめげなかった精神力の強さは折り紙つき。選抜入りに注目しています。
【芳沢光雄(よしざわ・みつお)】
桜美林大学教授・理学博士。著書に『数学で遊ぼう』(岩波ジュニア新書)や『新体系 高校数学の教科書 上・下』(講談社ブルーバックス)などがある。