『2011年版 間違いだらけのクルマ選び』が3刷り4万部と好調な自動車ジャーナリスト・徳大寺有恒氏は自動車に対し、歯に衣着せぬ厳しい評価をすることで知られているが、そんな同氏が高く評価する車はトヨタ・ヴィッツだという。以下、徳大寺氏によるヴィッツ評だ。
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トヨタ車はとにかく長持ちする。北米では「20万キロ走っても壊れない」という神話が生きていたりする。これは工業製品としてのクルマを評価するとき、立派なアドバンテージだ。
1999年に登場した初代ヴィッツはこういったトヨタ車の利点を活かし、トータルパッケージとしてよくできたコンパクトカーと評価された。実際、ヴィッツは国内で売れたばかりか、世界戦略車として欧州でも“ヤリス”の名で販売され実績をあげている。欧米じゃ「無事これ名馬」がクルマ選びの指標として大事な項目になっているから、ヴィッツの成功は的を射たものだった。
3代目ヴィッツは、初代に比べて乗り心地がかなり良くなっている。フットワークもコンパクトカーとしては標準以上の評価を与えたい。エンジンに関しては1.3L、1Lともトルク、出足、回転上昇などの面で納得できた。タウンユースが主なら1Lがグッドチョイスとなる。
最近の日本のコンパクトカーは動力性能と居住性、そして価格が高い次元でバランスしている。長持ちするヴィッツは、なかでも極めて合理的なクルマといえるだろう。
※週刊ポスト2011年7月15日号