30度を超える真夏日が続く中、実際の気温以上に暑苦しく感じるのが、節電キャンペーンだ。しかし、国民に苦痛を強要する人たちはホントに節電しているのか。キャンペーンを叫ぶマスコミの節電ぶりを実際に調べてみた。
本誌が調査したのは7月5日の午後1~3時。この時間帯の都心の気温は31~32度。
「節電ファッショ」で重要な役割を果たしているのが大メディアである。彼らは紙面と電波で「節電せよ」と喚き続ける。
まず調査したのは首相官邸隣の国会記者会館。国会記者クラブに所属する記者(フリーランスや雑誌記者は利用できない)の取材拠点で、衆議院から無料で場所を提供されている。朝日、読売などが占有する部屋がある2階廊下は28.5度。
「各部屋の入り口にリモコンがあって自由に温度を調節できます。昨年は20度台前半まで冷やしていました。でも、今年は窓を開けたりして対応しています」(大手紙政治部記者)
が、本誌記者の訪問時には窓はすべて閉まっていた。
続いてテレビ局代表として有働由美子アナの“脇汗”で話題となったNHKを測定すると、気温は27.3度。外気より5度近く低いから、多くの入館者から「涼しい!!」と喜びの声が上がる。本誌記者もロビーで佇んでいると、3分程度で汗が引いた。
NHKは「28度に設定している。空気の流れなどの関係でそれ以下になったのでしょう」(広報局)と説明した。
※週刊ポスト2011年7月22・29日号