7月上旬のある平日、都内の高級住宅街をひとりの女性が歩いていた。紫色のワンピースに、やや大きめのオレンジのショルダーバッグ。東京はこの日も真夏日だったが、女性は日傘もささずにてくてくと歩いていく。郵便局に立ち寄り、次はその足で銀行へ――およそ19年ぶりに見かけたちあきなおみ(63)は、往時とほとんど変わらない姿だった。
1992年9月11日、最愛の夫だった俳優の郷エイ(金ヘンに英)治さん(享年55)が肺がんで他界。その日を境に、ちあきは芸能界から姿を消してしまった。
夫との思い出だけに生きて、「外食はせず、買い出しに出るときはマスクにメガネ、ほっかむりと、完全に変装する」(芸能関係者)といった、世間とのつきあいを一切絶った生活を送っているちあき。しかし、最近では変装をせずに表に出ることもあるようだ。当時を知る彼女の知人がいう。
「韓流ドラマが大好きで、『冬のソナタ』のヨン様については“ヨン様みたいな人は日本にはいないわよね”といっていました。歌手では平井堅なども聴いているみたい。2~3年前には、オーストラリアに1億円ほどするリゾートマンションを買ったそうです」
少しずつ“外の世界”に関心が持てるようになってきているのかもしれない。
※女性セブン2011年7月28日号