さまざまな節電対策が提案される中、いま注目されているのが“冷やしごはん”。すぐに始められておいしい、ダイエットやメタボ対策も期待できる一挙全得の炎夏対策だ。
「冷めたごはんには、炊きたてのごはんとは別の味わいがありますね」というのは、今夏限定『冷やしいなりだし茶漬け』が好評の『居酒屋まんちゃ』(東京・目黒区)オーナーの水口昌哉さん。どこへ行っても節電モードで疲れ気味のお客さんに、おいしい酒とともにサラサラッと食べやすいシメごはんを、と考案したという。
いわゆる“冷やごはん”は、保温機能のない炊飯器を知っている昭和世代には懐かしい思い出だが、ホームフリージングや電子レンジ全盛の現代、そもそも子供たちは“冷たいごはん”を知らないし、昔は冷めたごはんを温かく食べる手段だったお茶漬けにしても、温かいごはんにお茶をかけるのが当たり前だ。
ところが、空前の節電モードの今年、猛暑で食欲がなくても食べやすく、節電にもなると、「冷やしごはん」が脚光を浴びている。あえて炊きたてのごはんを冷まし、そのおいしさを生かして冷たい汁や具材と楽しむ“スーパークールビズ”料理として、ファミレスのメニューにも登場しはじめた。
「冷やしごはん」が注目される理由がもうひとつある。“ごはん=太る”というイメージがあるかもしれないが、実は「冷やしごはん」はダイエットやメタボ対策にも効果が期待できるというのだ。医学博士で管理栄養士の本多京子さんによると、
「温かいごはんが冷めていく過程で、ごはん粒の中に『レジスタントスターチ』と呼ばれる成分が作られることが、近年の研究でわかりました。『レジスタントスターチ』とは、直訳すると“消化されにくいデンプン”。温かいごはんに含まれるデンプンは、小腸に届くまでに消化・吸収されますが、この『レジスタントスターチ』は大腸まで届き、排出されます。血糖値の上昇を緩やかにし、ダイエットやメタボ対策の強い味方になる食物繊維とよく似た働きをするのです」
※女性セブン2011年7月28日号