大震災以降、日本への同情から、海外の新聞では領土問題では日本に譲ってもいいとの事が掲載されることもあった。だが、韓国は事情が異なるようだ。産経新聞ソウル支局長の黒田勝弘氏が報告する。
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大震災の日本に同情したロシアの新聞が「日本はかわいそう」と言って、領土紛争になっている「北方領土などくれてやってはどうか」と報じているというニュースが、日本の新聞の片隅に紹介されていた。
さすがロシア人のユーモア感覚、と感心して早速、筆者の土曜コラム「ソウルからヨボセヨ」で参考にさせてもらった(産経新聞4月2日付)。
コラムでは、韓国は昔から対日快感として「日本沈没」論が大好きで、元祖・小松左京の小説など早くから翻訳出版されている。今回の地震でも韓国マスコミでは早速、「日本沈没!」の見出しが躍ったが「あの惨事にこの報道はまずい……」と反省論が出ている、という話を紹介した後、「日本は“沈没”の危機なんだから、領土問題ではこの際、韓国は日本に譲ってはどうか」とオチをつけたのだ。
ところがこれが韓国マスコミでは「クロダ記者がまた妄言」と非難され、ネットや電話などで抗議が殺到。「殺してやる!」「クロダ追放署名運動」などの騒ぎとなった。身辺に危険はなかったが、地元警察からは、念のためと警護強化の知らせがきた。領土問題(韓国では「独島問題」)となるとユーモアも何もあったものではない。ロシアに比べると文化水準はかなり低い?
※SAPIO 2011年7月20日号