円高の影響もあり、輸入商品が中心であるワインの消費量は増加傾向にある。高級ワインがもてはやされた時代もあったが、その後南アフリカ・チリ・アルゼンチンなどのニューワールドと呼ばれるヨーロッパ以外を産地とするコストパフォーマンスの高いワインが流行したことも後押しとなり、日本の食生活や食文化の中でワインは「特別な日の飲み物」から「日常の飲み物」として定着したといえるだろう。
ワインのトレンドとして、近年人気が高まってきているのがスペインワインで、日本への輸入量は10年前と比較して約3倍の規模となっている。フランスやイタリア・ドイツが、ヨーロッパの代表的な産地のイメージがあるようだが、生産量では1位はフランスで2位がイタリア、そして3位がスペイン。ブドウの作付け面積にいたっては、117万ヘクタールで実はスペインが世界1位である。
そんなスペインワインの中で、レストランなどでも比較的手ごろな価格で楽しめる『ヴィニャ・アルバリ』ブランドのデイリーワイン『ヴィニャ・アルバリ・テンプラリーニョ』(赤)と『ヴィニャ・アルバリ・アイレン』(白)が、2011年8月30日に発売予定。
5月に行なわれた試飲会でも「どんな料理の味も邪魔をしないで美味しい(35歳・女性)」と食事に合うワインとして、支持されている。ヨーロッパ内の評価でも、コストパフォーマンスの高いワインブランドではあるが、日本での販売価格も750mlで700円程度とデイリーワインとしても低価格帯に入る。
こうしたワインが店頭に増えてきたことで、手ごろな価格で好みのワインを探す楽しみの幅も増えるが、ワイン文化のひとつである「ワインツーリズム」――ワインの産地を回って、産地の料理と共にワインを楽しむ――も日本で人気が出てきた。
国内のワイナリーでは、以前は工場見学に試飲と販売コーナーしかないケースがほとんどだったが、最近ではレストランと提携するなどして、本場に近い「ワインツーリズム」を提供するところが増えてきている。
夏休みや秋の観光シーズンにワイナリーへ出かけ、郷土料理とワインを楽しんだり、お気に入りのレストランで、料理に合ったお薦めのワインを教えてもらうのもいい、家で手軽に、フライパンでパエリアを作ってスペインワインを飲むのも――こんなふうに多くのシーンを考えられるのも、日本の食生活にワインが定着したあらわれだろう。