夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回の報告は、ご主人(56歳)がガス会社勤務の奥様(54歳)。毎回、ご主人が宝くじを30枚購入しているそうです。
* * *
新婚当時は「3億円当たったら、庭付きの白亜の家を建てよう」などと夢を語り合うのが楽しみでした。「全額、キミの使いたいように使っていいよ」ともいってくれました。でも、子供が2人生まれてからは、現実的な会話が多くなり、宝くじを買っても、昔のような話はなくなりました。
その子供たちも結婚し、孫が4人。今回ふと昔の会話を思い出し、「ねェ、3億円当たったら何に使う?」と主人に聞いてみました。すると、「とりあえず、1億円はオレがもらう」と即答。そうすると、私にも1億円かしら?
「残りの2億? 子供たち2人に5000万円ずつ、孫4人に2500万円ずつだ」「じゃあ、私はゼロなの?」思わず、声が大きくなりました。
「欲しい物とかないだろう?」「あるわよ! この前もテレビ通販でやってた補正下着が欲しかったんだけど、高かったから買わなかったのよ」「いくらなんだ、それ?」「5万8000円!」「分かった。宝くじが当たったら、その下着、買ってあげるから」「ありがとう」
あっ、思わず、お礼いっちゃったわ。悔し~い!
※週刊ポスト2011年7月22・29日号