【真夏の就活講座・4】作家・人材コンサルタントの常見陽平氏をお迎えしての四日間連続の就活講座、本日は最終回です。
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今年の就活戦線で、ついに某大手企業からあの質問が出ました。
「君は原発についてどう思う?」
思想チェックじゃないか、と憤る人もいるかもしれません……。この企業、別に原発産業とは何の関係もございません。そして、憤る人を見極めるためのテストでもあります。
というのも、学生に時事問題について意見を尋ねると、たいてい感情論になってしまうんですよね。それは一般市民としての意見ならいいけれど、これはビジネスパーソンを計る面接なので、ビジネス的な見解がなければダメなんです。
私は就活学生を対象に模擬面接を毎年しているんですが、例の「スパコン仕分け」について意見を求めると、慶応の理系の学生から「日本の科学の未来のためにけしからん」という。「じゃどうすればいいの?」と突っ込むと、「……」。
あとFラン大学だと「気になる社会問題は?」と聞いているのに、芸能ネタ喋る学生が増えますね(笑)。そこの区別すらついていない。
冒頭の質問は反対でも賛成でも構わないから、論理的に考えられるかが鍵なんです。で、そういうテストには、原発とか内角ストレートをつくようなきわどい質問か、初日に紹介した「47都道府県」みたいな突飛な質問、思考のストレス耐性が問われる質問がいいんですよね。
就活面接だけでなく、中間管理職の方が若手社員とのコミュニケーションで利用されても面白いと思いますよ。そんなわけで就活講座はこれでいったん終わり!