女優・タレント・ニュースキャスター――才色兼備でありながら、年齢と共に色気を増している大桃美代子さんが韓国LG社製3D TV『CINEMA 3D LW5700』のレビューをすると聞きつけ、取材・撮影現場に潜入した。
黒のシックなワンピース姿に、すんなりと伸びた手足。素足でソファに横たわっていても、だらしない雰囲気にならないのが、さすが知性派タレント。しかし実際に3D TVを試してみて「うひゃー」「うおー」などと言っているのは、かわいらしい。
だが「こんなに明るい場所で、ソファに横になった体勢で観ても映像が飛び出してくるのには驚きました」という、“ニュースキャスターらしい”しっかりコメントに感心していたら
「韓国企業が世界をリードするようになったキーワードに『パリパリ文化』というのがあるんです。パリパリ=速いという意味で、開発が速く、企業の意思決定が速いので、高機能の新商品がさっと出てくる。
LGさんは、たしか4~5年くらい前にものすごい投資をして、液晶テレビの新工場を造られたので、どんな商品が出てくるかと楽しみにしていたんです。このテレビがまさにそれ、というわけですね。今年のアメリカの消費者テストの3D部門で、この商品は1位だったんですよね?」と次々にコメントを投げかけ、逆に記者が「え? それは知らなかった」と舌を巻くほど。
2005年に韓国への短期留学経験を持ち、今も3カ月に1度、以前は毎月のように訪韓し、ブログ「韓流への道」をやっている大桃さんだけあって、“さすが”の韓国通ぶりである。
「雑穀エキスパート」「野菜ソムリエ」に「おさかなマイスター」、果ては「新潟市観光・文化検定(通称ニイガタ検定)3級」まで、いろいろな資格を持つ。韓国通になった背景も、韓流スターの取材の際に、韓国語が話せなくて残念な思いをしたことがきっかけ――という。
地元地域の産業振興に携わったり、講演などの仕事に繋がっているものだが、本人は「どれも趣味が高じただけで」と笑う。興味を持ったものへの探求心が、普通の人より強いのだろうなぁ、と思いつつ話しを聞いていたところ、「今はMBAの資格を取るために、大学院に通っているんですよ」と、一体この人はどこまで行こうとしているのか!?
こんな女性を誘うには、やはりきちんとしたレストランとかじゃないと、ダメなんだろうなぁ――と、誘えもしないのにあれこれ考えていると、取材担当記者と話していた大桃さんが、アッサリ「3D買ったから、ウチに来ないか? って誘われたいですねー」発言。
知的な美しさの中にチラリと見せるこの“隙”が、経験によって磨かれてきた女性の余裕や色気に繋がっているのか、と取材終了後も別の記者と盛り上がっていた時にふと気づく。
「あぁっ! 名刺渡してない!」
「俺もだぁ……」
大人の“隙”は色気にもなるが、ぼんやりな“隙だらけ”では、ダメということか。まぁ、名刺を渡せたからといって、何も、どうにもならないけれど――不覚だ。
※週刊ポスト2011年8月5日号