東北には有名な祭が多数あるが、復興を目指し、今年も「祭」は行われる。福島市の中心に位置する信夫山の羽黒神社には、年に2回長さ12メートル、重さ2トンの巨大わらじが奉納される。奉納は2月の「信夫三山暁参り」と8月の「わらじまつり」で半足ずつ行なわれ、一足となる。奉納されるわらじは、半月ほどかけて作られ、使用される藁は3000束にもなる。
羽黒神社には仁王門があり、無病息災、家内安全などを祈って仁王様の大きさに合わせて作った大わらじを奉納したのがそもそもの始まり。1970年からほぼ現在の形となり、市民のお祭りとして実施。わらじの山車を曳くタイムを競うわらじ競争や、わらじ音頭なども行なわれている。
震災の影響で開催が議論されたが、今年は8月6日、福島市中心部の国道13号線で開催されることが決まった。わらじまつりの実行委員会が語る。
「予算はかなり少なくなると思っていたが、地元企業の予想外の頑張りで、協賛金も集まっている。いつもより多めに出してくれている企業もある」
逆境の時だからこそ、地元で一丸となって成功させたい今年の祭り。毎年2日間の開催が今年は1日のみとなったが、「福島は頑張っているということを笑顔で伝えたい」と、参加者たちの意気込みはひと潮だ。
写真は、わらじまつり出場予定の、『波恵ダンス・カルチャーパーク』(福島市)のダンサーたち。7月16~17日に宮城・仙台市で開催された東北六魂祭にも出場し、「『福島頑張れ!』『福島負けるな!』と沿道の人々から声援を受け感激しました」という。
撮影■本誌・東北六魂祭取材班
※週刊ポスト2011年8月5日号