日増しに拡大している汚染牛肉の問題。食卓に迫る汚染牛の危機に、私たち消費者はどう対処すべきだろうか。
まず、消費者の助けになるのは「個体識別番号」だ。牛は生まれたときから一頭一頭、個体識別番号で管理される。屠畜後、バラバラの部位に分かれてもこの番号は伝票に記載される。
個体識別番号を独立行政法人「家畜改良センター」のホームページに入力すると、出生地や生育地がわかるので知っておきたい(ただし、農家の同意がない場合は非公開)。
しかし、そこにも抜け穴がある。ハンバーグにしたり、たれにつけて販売されている加工品には個体識別番号をつける義務がないのだ。さらに、ハラミやレバーなどの内臓にも番号はついていない。
厚生労働省医薬食品局食品安全部監視安全課の担当者がいう。
「レバーは複数の牛のレバーが併せて出荷され、1つ1つの肉のサイズが小さいので、個体識別番号はついていません。このように、内臓は肉と違ってどこでどう育ったか個別に追跡できません」
厚生労働省食品安全部は「これまで判明している規制値を超えた牛肉を食べても健康に影響はない」というが、不安は尽きない。水際でどう防ぐべきか。京都精華大学人文学部の山田國廣教授はこう説明する。
「いま出回っている食品については消費者が自己判断するしかない。福島県産を食べることに抵抗がある一方、風評被害もあるし、食べることで農家を応援したい人もいるでしょうから。ただし、子供への影響は大人よりはるかに大きい。少なくとも子供には放射性物質を含む可能性のあるものを食べさせないようにすべきではないでしょうか」
※女性セブン2011年8月4日号