女子サッカー日本代表「なでしこジャパン」を史上初の優勝に導いた主将・澤穂希選手(32)。彼女の両親が離婚したのは中3のときだった。そのときから、別れて暮らすことになった父親だが、実はその後も、澤は交流を持ち続けていた。
父親は、澤と母親が暮らしていた家から車で10分ほどの距離にある木造2階建ての一軒家でひとりで暮らしていた。
18日の早朝、W杯優勝直後、その家を訪ねると、父親が『FIFA2007』と書かれた赤いショートパンツ姿で出てきた。
『FIFA2007』とは前回のW杯のことで、なでしこジャパンはグループリーグ敗退と悔しい思いをした大会。きっと父も、娘と同じリベンジの気持ちを持って応援していたのだろう。
「おめでとうございます」と声をかけると、「いやぁ、やったね。ありがとう!」こういって満面の笑みを返してくれた。
しかし、インタビューを申し込むと、「みんな断ってるんだよ。一切話さないって決めてて…。ゴメンね」と困り顔を浮かべる。しかし、話が決勝戦に戻ると、「私もあのときは同点ゴールは嬉しかったね。昨日は徹夜で一睡もしていないんだよ」そういって顔をほころばせた。
だが、それ以上の取材に関しては一切NG。頑固なところは澤にそっくり。それでも、決して本誌記者を追い返そうともせず、最後には、「こんな暑いのにせっかく来てくれて申し訳ないね。いま庭のトマトがおいしくなってるから、持って帰りなよ」
そういいながら、庭に出て、自らトマトの枝にはさみを入れ始めた。「いろんなとこに出てペラペラしゃべるのが嫌なんだよね。娘といえども他人じゃん」
その言葉からは、自分たちの身勝手で離婚して、かわいそうな思いをさせた娘のことを話す権利は自分にはないという強い思いが伝わってきた。
「離婚してからも澤のお父さんはいつも試合会場に駆けつけては、陰に隠れて目立たないようにしながら応援してましたよ」(澤選手が小学時代に所属していたチーム『府ロクサッカークラブ』の関係者)
※女性セブン2011年8月4日号