中国浙江省で7月23日に起こった高速鉄道の追突・脱線事故。多数の死者を出しただけでなく、事故直後に現場の高架下に車両を埋めた件でも大きな注目を集めた。その後、当局は国内外の批判をかわすためか、埋めた事故車両を掘り起こすというてんやわんやぶりだった。
この事故は日本にとって、対岸の火事ではない。なぜなら事故車両を製造した中国南車(CSRコーポ)は、日本の中国株投資家にとっても人気銘柄のひとつだったからだ。同社株を長期保有している日本人投資家が語る。
「週末に事故が起きて、翌月曜(25日)の株価は、やはりというか14%もの大暴落でした。事故直後の“隠蔽工作”も外国人投資家から見ればマイナスに働いたのでしょうね」
ところが、これだけ株価が下がったにもかかわらず、同社株をまだ手放す気はないという。なぜか。
「たしかに事故の影響で株価は大きく下げましたが、長期的にみれば、中国の鉄道市場が急速に伸びていく市場であることは間違いないと思っています。加えて、26日以降も暴落が続くだろうと思っていたのですが、事故車両が掘り起こされたタイミングで、株価が下げ止まったのです。これまで高過ぎた株価が割安になったと考えれば、案外投資チャンスかもしれません」(同前)
はたして今後の株価の展開はいかに。