男とは自慢をしたがる生き物ではあるものの、「芸能界にいた」ことを自慢しすぎるタクシー運転手の夫(52才)に栃木県在住のパート・Oさん(52才)は、少々困っているようで…。Oさんが勘違い夫の愚痴を語ってくれた。
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30年以上前に芸能事務所に所属していたダンナが出演したドラマ、何回もビデオで見せられたけどセリフはひと言でダンナが映っているのは背中だけ2秒。出演というにはショボすぎるって。
それ以外の芸能活動といえば、スーパーのチラシの紳士服のモデルとか、ファッション雑貨店のモデルに起用されて情報誌にち~さく載ったことがあるぐらい。それも2、3回。実際には1年弱の芸能活動で、「“長男なんだから”って親に無理矢理やめさせられた」んだって。
「もし頑張っていればいまごろ有名になってた」ってダンナはお酒を飲めば、テレビの前で演技論。新人俳優が登場すれば「雰囲気はあるんだけどセリフ回しは素人だ。ぜんぜん感情がこもってねぇ。ま、オレが役者やってたころはもっとウマかったぞ」と始まる。
お笑いコンビに対しても、「空気が読めなくちゃなぁ。オレも現場では大変だったっけな~」と昔話は終わらない。
それでも刺激のない田舎町だからさ。ちょっとしたスター気取りが許されちゃうんだよね。「ミュージシャンになりてぇっていってんだけど」って息子とビールひと箱持ってダンナに相談に来る人がたまにいるの。
ダンナはもう得意の絶頂。「いいか、甘い世界じゃねぇぞ」と、気合のはいった目で応じちゃってさ。私にはこれこそ、コントだわよ。「この町で芸能界に籍置いたのはオレだけだから、使命がある」って、この夏も村祭りを仕切ってるダンナ。
ああ、恥ずかしい!
※女性セブン 2011年8月11日号