ケータイをいじっている子供の姿を見て、友達とメールでもしてると思いこんでいたら、甘いかも…。特定の学校名を冠した非公式のネット掲示板“学校裏サイト”での書き込みによるいじめが問題となったが、最近は、日記などが書き込めるプロフィール公開サイト「プロフ」でのトラブルも増えている。
都内の私立高校2年生、A子さんがいう。
「プロフを始めた中学生のときに、自分の写真と学校名を載せたんです。そしたらある日、学校に30代くらいの変な男性が訪ねてきて、私が在学しているかどうかを聞いたり、学校周辺をウロウロしていたんです。直接トラブルはなかったんですが、怖くなってすぐにプロフを消しました」
別の私立高校3年生、B美さんは同級生のプロフの悪用を見聞きしている。
「クラスの女子の話なんですけど、高2の夏休みごろからプロフで援助交際を始めたんです。携帯のメアド入りで、パンツが見えそうなきわどい写真を載せ、“¥してくれる人募集”なんて書いてますね」
子供たちは自分の書き込みを親に見せないように、プロフ上ではニックネームを名乗るなどの“自衛”手段を講じていることが多い。そのため、親が気づかぬうちに、トラブルに巻き込まれてしまうのだ。
警察庁によると、出会い系サイトをきっかけに未成年が被害に遭う性犯罪は2006年の1915件をピークに減少中。一方、プロフやSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)などの非出会い系サイトを通じた犯罪件数は統計を取り始めた2008年に994件だったが、2009年には1347件に急増している。
もちろん、初めから援助交際を目的として子供がプロフを作るケースは少ない。ほとんどの子供は「気の合う仲間を見つけたい」という純粋な思いから始める。
しかし、アクセス数を上げたい思いが高じるあまり、きわどい内容を書くようになり、犯罪者の接近を許すケースもあるという。
その裏側には、「出会い系サイトよりも簡単に援助交際できる」とプロフを悪用する大人の男たちが多くいる実態がある。全国webカウンセリング協議会の安川雅史理事長は子供を持つ親に向けてこう助言する。
「もし、子供がネットでいじめに巻き込まれている場合は、いくつかのSOSサインが見られるはず。ケータイの着メロ自体が恐怖心をあおるのでマナーモードに替えていたり、着信があっても親の前ではメールを見ないという兆候が表れたら要注意です」
プロフやSNSは出会い系と違い、電話会社への登録によってアクセスに制限をかけるフィルタリングの対象とならない。
「携帯の使い方を子供任せにせず、プロフやSNSの危険性を説明したうえで、個人情報を書き込まないように注意するべきでしょう」(前出・安川さん)
子供を被害者にも、加害者にもさせないために、親にできることは多いはずだ。
※女性セブン2011年8月11日号