7月は多くの企業同様、テレビ局でも人事異動の季節。喜ぶ者がいれば、泣く者もいる。女子アナとて例外ではない。テレビでは華やかな笑顔を振りまき続ける彼女たちも、シビアな査定に晒されていた。
人気アナたちが番組に花を添える一方で、華やかな現場からの“強制退去”を命じられた女子アナもいる。
かつて、『めざにゅ~』などで活躍した宮瀬茉祐子アナ(29)、木幡美子アナ(44)、田代優美アナ(44)らがそれぞれ「アナウンサー以外」の別部門への異動を命じられたのだ。宮瀬アナは広告宣伝部、木幡アナはCSR推進室、田代アナは法務室兼適正業務推進室といった具合だ。
あるフジテレビ社員は打ち明ける。
「若い宮瀬アナはこの異動にショックを受けて、上司から内示を受けた時には思わず泣き崩れたらしい。その直後に“広告代理店勤務の彼氏と結婚する”と、すぐさま退職届を出してしまった。表向き、異動と寿退社は関係ないことになっているが、社内では“相当不服だったのでは”と噂になっている」
近年、このような“女子アナ強制引退”が頻繁になっている。たとえばTBSでは、情報番組『ジャスト』で活躍した広重玲子アナ(39)が2009年7月に広報部へと異動、昨年秋に退社した新井麻希アナ(29)も、別部署への異動を命じられフリーに転身したといわれている。
民放キー局のある人事部門担当者がいう。
「不況の煽りで、各局とも新入社員をギリギリまで減らしている。たとえ女子アナといえど働き口がない人間を遊ばせておく必要はないということです。アナウンサーは一般社員とは採用枠が違う専門職として入社しているため、かつては別部署への異動には気を遣った。しかし最近では“不服なら辞めればいい”という雰囲気になってきている」
「30歳定年説」が半ば常識となりつつある女子アナ界だが、社員である以上、局側も不要になったからといって放逐するわけにはいかない。30代以上の局アナは、総じて年収1000万円をはるかに上回る超高給。人件費に悩まされるテレビ局側としても、女子アナのほうから辞めてくれるなら「思うツボ」なのだ。
「アヤパン(高島彩)や滝クリ(滝川クリステル)レベルならともかく、局のアナウンス室でも目立たないアナウンサーが、フリーになって社員時代以上の年収を稼ぐのは至難の業。いやらしい話だけど、局側も足下を見ているわけです」(前出・フジ社員)
※週刊ポスト2011年8月12日号