『ジョークで読む国際政治』の著者で時事通信外信部長の名越健郎氏はジョークに対して非常に造詣が深い。そんな名越氏から菅首相夫妻にまつわるジョークを教えてもらった。
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菅直人首相夫妻が街を歩いていると、伸子夫人が缶拾いをしているホームレスを見つけた。
「あの人、昔の彼氏だわ。一時期結婚まで考えてたの」(伸子夫人)
「あの男と結婚していたら、君は首相夫人ではなかった」(菅首相)
「何言っているの。そうなったらあなたが缶拾いしてたわよ」(伸子夫人)
ジョークとは関係ないが、菅首相の評価が被災地、特に福島県で低い理由の1 つは山口県出身の首相が昨年6 月の就任会見で、尊敬する人物として高杉晋作を挙げ、自らの内閣を「奇兵隊内閣」と称したことにある。奇兵隊を前身とする長州軍は幕末の戊辰戦争で福島県会津を攻略し、住民を虐待した。奇兵隊内閣下で起きた福島第一原発事故は、福島の人々に戊辰戦争以来の屈辱感、無力感を感じさせたかもしれない。
※SAPIO 2011年8月3日号